正しい著作権表示とは?「©マーク」の意味と使い方
意外と知られていない、©マークの正しい使い方
商品のパッケージや、映画等のクレジット、インターネットサイトのフッター等、至る所で目にする「©マーク」ですが、正しい意味や使い方を理解している方はどれくらいいるでしょうか?
正解をご存知の方ももちろん多いと思いますが、「©マーク」は著作権表示に使われるマークで、著作権を意味する「Copyright」の頭文字が由来です。
正しい著作権表示は、「©または(C)」+「著作物の発行年号/更新年号」+「著作者名or著作権保有者名」で表されます。著作物の歴史が長い場合、年号や著作者名が複数記載されている場合があります。
有名なものを上げると、「ポケットモンスター」のキャラクターには多くの場合「©1995-2021 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.」と記載されています。これは毎年のように映画やゲームソフトの新作が発表されることで新しいキャラクターが次々に追加されたり、ゲーム・アニメ・映画・グッズ販売など、様々な媒体でキャラクター展開が行われたりすることで著作権所有者が複数に渡っていることが見て取れます。
TMマークや®(マルアール)マークも著作権表示?
著作権表示と混同されやすいのが、TMマークなどの「商標表示」です。
出願中の商標には「TMマーク」、登録済の商標には「®マーク」が記載されます。これらのマークが付記されている名称は、「一般名称」ではなく、「商標」であることを商標権者が主張するためのものであり、著作権表示とは意味や性質が異なるので混同しないようにしましょう。
また、著作権表示の最後に「All rights reserved」という表記がなされているケースもよく見かけられるかもしれません。
一部の国では、著作権表示の際にこの文言を添えることが必須とされていますが、日本を含む主要国ではこの表記は必要ありません。ただ、©マークは文字化けしてしまうことも多いため、「All rights reserved」と記載しておくことで、マークが文字化けしても「著作権表示である」ということが伝わりやすくなるというメリットがあります。
著作権表示をしないことのデメリット
著作権表示は、著作権者があくまでも自主的に行うものであり、表示をしなかったからといって、法的なペナルティーが発生するようなものではありません。
ただし、表示を怠ることで様々なデメリットが発生します。
例えば、あるキャラクターが企業の目に留まったとしても、著作権表示が無いために著作権者とコンタクトを取ることができず、ライセンスビジネスの機会をふいにしてしまう可能性があります。他にも、「第三者が著作物を無断使用した際も、著作権表示がなかったので誰かの著作物とは思わなかった」と、あくまでも「善意無過失による使用(注意していたにもかかわらず、知らずに使用すること)」を主張されてしまう可能性もあります。
著作物の権利を十分に活用し、守っていくためには、正しい著作権表示を行う必要があります。