商標マーク「TMマーク」と「®(マルアール)マーク」の違いは?
商標には「TMマーク」と「®マーク」の2種類があります。なぜ2種類あるのか、どのように使い分けるか等ついて解説していきます。
目次
出願中の商標には「TMマーク」。審査を通過し、登録となったものには「®マーク」
作品が発生した時点で自然発生的に生じる著作権とは異なり、商標権を得るためには、特許庁へ届出(出願)を行い、審査を経て登録される必要があります。
本来、商標権が発生するのは「®マーク」が付記されている「登録商標」だけですが、出願中の商標についても、近い将来権利化される可能性が高いため、出願者が自ら「TMマーク」を付記して警告をしておくことが一般的に行われています。
なぜ出願中の商標まで商標マークを付記(権利主張)する必要があるのか?
日本国内だけでも年間15万件程度の商標出願があり、専門の審査官達が不休で作業を行っても、審査結果が出るまでに1年以上かかる場合もあります。
商標の権利者としては、登録が完了するまで1年近くも権利主張ができないのは不都合ですし、第三者が商標出願中であることを知らずに使用してしまったために、後々係争に発展する可能性もあるため、このような仕組みが確立されています。
商標登録が完了したら、TMマークから®マークへ変更が必要
商標表示は権利者が、商標権を保護するために自主的に行うものなので、商標登録後もTMマークの表示を続けたとしても、罰則等は発生しません。
ただし、TMマークよりも®マークの方が当然強い権利主張ができますので、登録後はできるだけ早急にマークの変更を行うべきです。
また、まだ登録されていない商標に®マークを付記した場合、「虚偽表示」となってしまいます。
2種類の商標マークの違いを理解し、正しく運用できるよう、社内の関係者にも周知を徹底しておく必要があるでしょう。