ペンネームで契約を締結することは可能?
アニメーション制作では、ペンネームで活動する人物と契約の機会が多い
ビジネスシーンで取り交わされる契約書は、殆どが「企業」対「企業」で締結されます。
ところが、ことアニメ制作の現場においては、アニメ制作会社などの「企業」と、アニメの原作者、監督、音楽プロデューサーといった、「個人」との契約が、他の業種に比べて多いといえます。
ここで更にアニメ制作業界が他の業界と性質を異にするのが、アニメ業界に関わる「個人」には、所謂「ペンネーム」で活躍する人物が多いという点です。
ペンネームでも契約は締結できる?
結論から言うと、ペンネームで契約を締結することは可能です。
しかし、できるならば戸籍に登録された本名で契約してもらうに越したことはありません。
ではなぜペンネームよりも本名で契約を締結すべきなのでしょうか?
例えば、「アニメ太郎」というペンネームで活動する原作者「田中太郎」氏と、ペンネームで契約したとします。
この契約でトラブルが発生し、訴訟に発展した場合、法定では契約内容について審議されるだけでなく、「アニメ太郎と田中太郎が同一人格である」という証明をしなければなりません。
テレビや雑誌のインタビュー等で本人の顔や声が一般に知られているような著名な人物であれば証明もしやすいですが、そうでない場合は、こういった照明は案外困難です。
また、ネットを中心に活躍している人物であれば、メールやSNSのアカウントを全部削除された場合、連絡を取ることすらままならなくなってしまいます。
契約書は戸籍に登録された「本名」で締結するのが鉄則
とはいえ、ペンネームで活躍する著名人の中には、「本名を知られたくない」という方もいます。
そのような方は、本名での契約締結に難色を示す場合もあるでしょう。
しかし、契約書内に「契約が原因で本名が漏洩した場合の損害を賠償する」といった条項を盛り込んだりすることで、できるだけ不安を払拭しながら、なんとか本名での契約締結を承諾してもらうか、それでも応じてもらえない場合は、保証人を立てるなどの対策を取るとよいでしょう。