「オマージュ」、「パロディ」と「パクリ」の境界線とは?

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「オマージュ」「パロディ」と「パクリ」、それぞれの定義とは?

「オマージュ」とは、元ネタに対する敬意が根底にあることが前提となっています。

元ネタを知らなくても作品に支障はないものの、「元ネタを知っていることで、作品をより楽しめる」というものです。

「パロディ」は元ネタにユーモアのある「茶化し」を加えたものと説明できます。

モノマネ芸なども「パロディ」の一種と言えるでしょう。

パロディの場合は、「元ネタを知っていないと楽しめない」という性質があります。

つまり、この二つには、「やる方も見る方も、元ネタがあることを理解している」という共通点があります。

一方で「パクリ」は「元ネタの存在を(意図的に)隠している」という点が、オマージュやパロディと異なります。

「パクリ」は元ネタへの敬意のない、ただの「盗作」や「盗用」と同意と認識されてしまいます。

「オマージュ」「パロディ」は合法で、「パクリ」は非合法?

「オマージュ」や「パロディ」は世間的に受け入れられ易く、逆に「パクリ」はバッシングの対象となり易いですが、前者が合法で後者は非合法…というわけではありません。

これら3つの行為は全て、元ネタの著作権や肖像権の所有者が訴えを起こした場合、権利侵害や名誉棄損等の罪に問われる可能性が高いといえます。

パクリは論外ですが、やる側は「オマージュ」のつもりであっても、元ネタの権利者からすると「作品の冒涜」と捉えられる可能性もありますし、そうなれば訴訟に発展する可能性も十分に考えられます。

従って、オマージュやパロディの場合も元ネタの権利者の事前承諾は必ず必要です。

「同人誌」は著作権侵害にならないのか?

まず、この記事では「『同人誌』とは小説やアニメのキャラクターを用いて創作されたマンガ作品を指す」と理解してください。

同人誌は「パロディ」の一種であるため、本来は著作者の許可なく創作、販売を行うことは「著作権侵害」となり民事上は違法となります。

ただし、著作権侵害は刑事上は「親告罪」であり、著作権者が訴え出ない限り同人誌の作者が罪に問われることはありません。

同人誌の存在が原作の認知度向上等にプラスの影響を与える可能性や、同人誌の制作にいちいち著作権侵害を指摘することで著作者の評価やイメージが低下する虞もあることから、原作者は同人誌に対して著作権侵害を申告せず、「黙認」をしているケースが殆どです。

ただし、原作のイメージを著しく損ねたり、作者やファンを不快にしたりする内容の同人誌を制作・販売した場合、著作者から訴えられる可能性は十分あります。

パロディや同人誌等の二次著作物を作成する場合は、原作への敬意を尊重する姿勢が重要です。言い換えれば、そのような作品でなければ原作者の許諾を得ることは難しいでしょう。